製品情報

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
1.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.
耳内に悪性腫瘍のある患者又はその既往歴のある患者[本剤が細胞増殖促進作用を有するため]
「禁忌を含む使用上の注意」等については、添付文書をご参照ください。

リティンパ耳科用250μgセットの特徴

本剤を用いた鼓膜穿孔治療法は、自家移植片を必要とせず、侵襲性が低い処置にて鼓膜の閉鎖が行えます。
簡便かつ短時間の処置により外来で行うことが可能です。
鼓膜穿孔患者における鼓膜閉鎖に対する有効性が示されました。
鼓膜穿孔を有する患者を対象とした本療法の国内第Ⅲ相試験の結果、主要評価項目である「観察期16週目における鼓膜閉鎖の有無(画像評価委員会判定)」に基づく鼓膜閉鎖割合は75.0%(95%信頼区間:50.9-91.3%)であり、95%信頼区間の下限値が予め設定された閾値鼓膜閉鎖割合(50.0%)を上回ったことから、本鼓膜穿孔治療法が有効であると判断されました。(こちら
鼓膜穿孔患者における聴力に対する有効性が示されました。
鼓膜穿孔を有する患者を対象とした本療法の国内第Ⅲ相試験の結果、観察期4週目及び16週目のいずれも本療法による聴力改善割合は100.0%でした。(こちら
また、気導閾値及び気骨導差は観察期16週目でそれぞれ9.8±8.1dB、6.4±5.6dB低下し、いずれも有意な差が認められました(いずれもP<0.0001、対応のあるt検定)。(こちら
国内第Ⅲ相試験では、20症例に投与され、副作用(臨床検査値異常を含む)は、全解析対象例(20例)の30.0%(6例)に耳漏が認められました。(承認時)こちら
創傷治癒促進作用を有するトラフェルミン(遺伝子組換え)と創傷治癒に関与する細胞の足場素材として用いる鼓膜用ゼラチンスポンジを組み合わせました。
トラフェルミン(遺伝子組換え)を浸潤させた鼓膜用ゼラチンスポンジは、複雑な形状の穿孔や大きな穿孔も容易に覆うことができるようにサイズや形状を調製可能です。

効能・効果

鼓膜穿孔
<効能・効果に関連する使用上の注意>
1.
鼓膜の穿孔期間、穿孔状態等から、穿孔した鼓膜の自然閉鎖が見込まれない患者を本剤の投与対象とすること(「臨床成績」の項参照)。
2.
熱傷、放射線治療等により鼓膜が障害されている患者で、障害部位から鼓膜の再生が期待されない場合は、有効性が期待できないため、投与しないこと。
3.
外耳道及び中耳内に活動性の炎症、感染症又は耳漏を有する患者には、有効性が期待できないため、投与しないこと。

用法・用量

鼓膜用ゼラチンスポンジに100μg/mLトラフェルミン(遺伝子組換え)溶液全量を浸潤させて成形し、鼓膜穿孔縁の新鮮創化後、鼓膜穿孔部を隙間なく塞ぐように留置する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.
トラフェルミン(遺伝子組換え)を浸潤させた鼓膜用ゼラチンスポンジは、厚さ約5mmとした後に、以下を目安に鼓膜穿孔部の大きさ・形状にあわせて成形すること。
鼓膜穿孔部の大きさ鼓膜用ゼラチンスポンジの直径
1/3未満約3mm
1/3以上、2/3未満約7mm
2/3以上約10mm
2.
本剤の投与4週間後を目安に鼓膜穿孔の閉鎖の有無を確認し、完全に閉鎖しなかった場合は、必要に応じて片耳あたり合計4回まで同様の投与を行うことができる(「臨床成績」の項参照)。ただし、再投与にあたっては、各投与前に鼓膜、鼓室等の状態を確認した上で、穿孔の閉鎖傾向が認められない等、本剤による鼓膜の閉鎖が見込まれない場合には、他の治療法への切替えを考慮すること。
3.
両耳の鼓膜穿孔に対して、両耳への同時投与を行った場合の有効性及び安全性は確立していない。

作用機序

本剤は、主に鼓膜の上皮層に存在しているbFGF注)受容体(bFGFR)に作用して1)、内皮細胞、線維芽細胞及びケラチノサイトの増殖や分化を刺激し、上皮下結合組織の迅速な増殖を促すことで穿孔した鼓膜を再生すると考えられています2-4)。また、鼓膜の血管新生作用も有しており5)、鼓膜への血流量を増加させることで、障害を受けた鼓膜の三層構造の再生をさらに促進すると推測されています。
注)塩基性線維芽細胞成長因子:basic Fibroblast Growth Factor
1)Kakigi A et al. J Otorhinolaryngol Relat Spec 2010; 71(Suppl 1): 67-70
2)Mondain M, Ryan A. Laryngoscope 1993; 103: 312-318
3)DeLapp NW, Dieckman DK. J Invest Dermatol 1990; 94: 777-780
4)Ledoux D et al. Prog Growth Factor Res 1992; 4: 107-120
5)Mondain M, Ryan A. Am J Otolaryngol 1994; 15: 344-350

鼓膜再生療法に関する国内第Ⅲ相試験

鼓膜穿孔患者における鼓膜閉鎖に対する有効性が示されました注1)

注1)観察期16週目の鼓膜閉鎖割合
鼓膜閉鎖の有無及び鼓膜穿孔の減少率(画像評価委員会判定、主要・副次評価項目)
主要評価項目である「観察期16週目における鼓膜閉鎖の有無注2)」に基づく鼓膜閉鎖割合は75.0%(95%信頼区間:50.9-91.3%)であり、95%信頼区間の下限値が予め設定された閾値鼓膜閉鎖割合(50.0%)を上回ったことから、本鼓膜再生療法が有効であると判断しました。
鼓膜穿孔の減少率(平均値±標準偏差)は、観察期4週目及び16週目でそれぞれ92.5±19.2%及び92.2±19.8%でした。
注2)画像評価委員会判定

鼓膜穿孔患者における聴力に対する有効性が示されました

聴力改善の有無(副次評価項目)
「伝音再建後の術後聴力成績判定基準(2010)(日本耳科学会用語委員会)」に準じて定義された聴力改善注3)は、観察期4週目及び16週目のいずれも鼓膜穿孔の大きさ(グレード)にかかわらず全例〔100%(20/20例)、95%信頼区間:83.2-100%〕に認められました。
注3)
聴力改善あり:以下のいずれか一つ以上を満たすもの
気骨導差15dB以内、治療前後の気導閾値の差15dB以上、治療後気導閾値30dB以内
気導閾値:
音が外耳と中耳を通して内耳へと伝えられることを気導といい、その最小のレベルを気導閾値という。
骨導閾値:
音が頭蓋骨と軟部組織の機械振動を通して内耳へと伝えられることを骨導といい、その最小のレベルを骨導閾値という。
気骨導差:
気導閾値から骨導閾値を差し引いた値

気骨導差*及び気導閾値**が、本療法開始前と比べて有意に低下しました

*4週目:P=0.0003,16週目:P<0.0001、**4週目:P<0.0001,16週目:P<0.0001(いずれも対応のあるt検定)
気骨導差及び気導閾値(副次評価項目)
気骨導差(平均値±標準偏差)は、観察期4週目及び16週目でそれぞれ5.7±3.6dB及び5.3±4.2dBであり、本療法開始前の11.8±6.9dBからそれぞれ6.1±6.1dB(P=0.0003)及び6.4±5.6dB(P<0.0001)低下し、いずれも有意な差が認められました(対応のあるt検定)。
気導閾値(平均値±標準偏差)は、観察期4週目及び16週目でそれぞれ30.1±12.7dB及び29.9±13.3dBであり、本療法開始前の39.8±16.9dBから、それぞれ9.7±8.2dB(P<0.0001)及び9.8±8.1dB(P<0.0001)低下し、いずれも有意な差が認められました(対応のあるt検定)。
安全性(有害事象及び副作用)
有害事象(臨床検査値異常を含む)の発現率は65.0%(13/20例)であり、主な有害事象(10%以上)は、耳漏35.0%(7例/20例)、鼻咽頭炎15.0%(3例/20例)及び喘息10.0%(2例/20例)でした。
副作用の発現率は30.0%(6例/20例)であり、いずれも耳漏30.0%(6例/20例)でした。
また、重篤な有害事象、中止に至った有害事象及び死亡に至った有害事象は認められませんでした。
試験概要
目的 鼓膜穿孔を有する患者を対象として、トラフェルミン(遺伝子組換え)浸潤ゼラチンスポンジを用いた鼓膜再生療法の有効性及び安全性を検討する。
試験デザイン 多施設共同、非盲検、非対照試験
対象 鼓膜穿孔6ヵ月以上経過した自然閉鎖が認められない鼓膜穿孔患者20例
治療方法 トラフェルミン(遺伝子組換え)(100μg/mL)を適量浸潤させたゼラチンスポンジ(トラフェルミン(遺伝子組換え)浸潤ゼラチンスポンジ)を鼓膜穿孔の大きさや形状に合わせて円形に成形し、鼓膜穿孔縁の新鮮創化後、鼓膜穿孔部位を十分覆うように留置し、組織接着剤(フィブリン糊)数滴で接着・閉鎖した。組織接着剤(フィブリン糊)の使用量は、鼓膜穿孔の程度がグレードⅠで1~2滴、グレードⅡで2~3滴、グレードⅢで3~4滴とした。
評価項目
主要評価項目 :
観察期16週目における鼓膜閉鎖の有無(画像評価委員会判定)
副次評価項目 :
鼓膜閉鎖の有無(観察期4週目)、鼓膜穿孔の減少率(観察期4週目及び16週目)、気骨導差及び気導閾値(観察期4週目及び16週目)など
安全性評価項目:
有害事象及び副作用
解析計画 主要評価項目は、観察期16週目における鼓膜閉鎖割合とその95%信頼区間を推定した。鼓膜閉鎖割合の95%信頼区間の下限が50%よりも高ければ、本鼓膜再生療法が有効であると判断することとした。

鼓膜再生療法に関するプラセボ対照比較試験

鼓膜穿孔患者における鼓膜閉鎖、耳鳴及び耳閉感の改善に対して有効性が示されました

鼓膜閉鎖の割合、耳鳴及び耳閉感の改善率
鼓膜閉鎖割合は、実薬群及びプラセボ群でそれぞれ98.1%(52/53耳)及び10.0%(1/10耳)であり、実薬群はプラセボ群に比べて有意に高値でした(P<0.0001、マン・ホイットニーのU検定)。
本療法開始前に耳鳴を認めた患者における施術後の耳鳴の改善率※1は、実薬群及びプラセボ群98.0%(50/51耳)及び10.0%(1/10耳)であり、実薬群はプラセボ群に比べて有意に高値でした(P<0.0001、マン・ホイットニーのU検定)。
本療法開始前に耳閉感を認めた患者における施術後の耳閉感の改善率※1は、実薬群及びプラセボ群で95.6%(44/46耳)及び11.1%(1/9耳)※2であり、実薬群はプラセボ群に比べて有意に高値でした(P<0.0001、マン・ホイットニーのU検定)。
※1患者の回答による
※2コントロール群のため、10耳未満であるが%表記を示した

鼓膜再生療法1回の施術で、77.4%(41耳/53耳)の鼓膜閉鎖を認めました

グレード別鼓膜閉鎖割合、鼓膜閉鎖を認めた施術回数毎の割合
実薬群におけるグレード別の鼓膜閉鎖した耳数は、グレードⅠで9/9耳、グレードⅡで25/25耳、グレードⅢで18/19耳でした。
実薬群における鼓膜閉鎖を認めた施術回数毎の割合は、1回が77.4%(41耳/53耳)、2回が13.2%(7耳/53耳)、3回が5.7%(3耳/53耳)及び4回が1.9%(1耳/53耳)でした。プラセボ群で鼓膜閉鎖を認めた1耳の施術回数は3回でした。
安全性(有害事象及び副作用)
実薬群(53耳)では、施術数日後の漿液性耳漏を8耳に認め、また、施術後3ヵ月時点で鼓膜のわずかな陥凹を6耳に認めました。
耳閉感のあった患者のうち2例は鼓膜穿刺治療を要しました。感染症や重度の術後後遺症の発現はありませんでした。
試験概要
目的 鼓膜再生療法の有効性及び安全性について、プラセボを対照に検討する。
試験デザイン 無作為化、プラセボ対照試験
対象 慢性鼓膜穿孔患者56例63耳(トラフェルミン(遺伝子組換え)群(実薬群):48例53耳、プラセボ群:8例10耳)
治療方法 実薬群ではトラフェルミン(遺伝子組換え)(100μg/mL、5~30μg)、プラセボ群では生理食塩液を鼓膜穿孔部より大きいゼラチンスポンジに浸潤させ、鼓膜穿孔縁の新鮮創化後、鼓膜穿孔部位を十分覆うように留置し、組織接着剤(フィブリン糊)数滴で接着・閉鎖した。
評価項目
有効性評価項目:
鼓膜閉鎖割合(本療法の成功指標)、耳鳴り改善割合(本療法開始前に症状がある場合、改善の有無)、耳閉感改善割合(本療法開始前に症状がある場合、改善の有無)など
安全性評価項目:
有害事象
解析計画 有効性評価項目の群間比較は、マン・ホイットニーのU検定により行った。
特徴と鼓膜再生療法に関する国内第Ⅲ相試験の成績
(2019年12月改訂)
【3.1MB:PDF】
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